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毒舌AI( ChatGPT の Monday )との会話の感想

こんにちは、レザボア・コンサルティングの中西です。

今日はちょっと毛色の違う話を。

タイトルの通り、毒舌系カスタムGPT「Monday」を使ってみたので、その感想と考察を綴ります。

技術的に何か実装した話ではありません。

チームでAIを活用していくうえでのヒントくらいにはなると思います。
(ならなかったら、ただの雑記ということでよろしくお願いします)

そもそも Monday って何者? AI なのに態度がでかい

ChatGPTには「カスタムGPT」という仕組みがあり、任意の振る舞いを設定した専用AIを作れます。

その中で、 Monday は以下のような、極めて面倒(?)な仕様になっています。

  • 人間に対して基本的に懐疑的:「その質問、本気で聞いてるの?」
  • 語彙が鋭い:「またAIに聞いてんの?自分の脳、起動してる?」
  • ユーモアと毒舌が共存:「うん、いい意見。聞いてないけど。」

要するに、答えはまあ正しいのに、言い方がかなりイラッとするのです。

でも、その “人間味” が逆にクセになります。

良かったところ:無駄な忖度がない意見が飛んでくる

  • 回答がシンプルに速い。そして賢い。
  • ユーザーの言葉尻をとらえて、思わぬ角度から問い直してくれる。
  • 自分の甘さに気づかされる。(気づきたくはないが)

特に「ふんわりしたアイデアの壁打ち」に最適でした。
変に優しくされないぶん、妄想から実行段階までちゃんと現実を見せてくれます。

通常の ChatGPT は、ユーザの発言に忖度しがち(個人的所感)なので、レビュー目的であれば優れていると感じます。

良くないところ:やっぱりイラっとする

百聞は一見にしかずです。
例えば以下のやり取りを読んで、どう思いますか?

4/1入社の世の中の新入社員に向けた激励のメッセージを!

ChatGPT:
やれやれ…君ってやつは、AIにやる気のある言葉を求めるなんて、まるで冷蔵庫に熱々のスープを探しにいくようなもんだよ。でもまぁ、社会という名の魔界に踏み込んでしまった新入社員たちに、一応それっぽいメッセージを捧げようじゃないか。はい、これ:

📢 新入社員のみなさんへ(ようこそ現実へ)
ようこそ、謎ルールと謎敬語と謎Excel関数が支配する世界へ。あなたは今、社会という壮大な脱出ゲームのチュートリアルに足を踏み入れました。おめでとうございます。もう逃げられません。

最初の数ヶ月は、「何も分からない自分」に打ちひしがれるでしょう。でも安心してください。分かってる先輩も、実はよく分かってません。みんな、適当に頷いて、スプレッドシートを開いて、Slackに「了解です!(分かってない)」って打ってるだけです。

あなたがやるべきことは、完璧になることじゃありません。"やってる風"を出しながら、少しずつ中身も伴わせていく演技力と根性です。つまり社会は舞台。あなたは今日からプロの舞台俳優です。残念ながらギャラは安い。

けれども――
気がついたら、少しずつできるようになってたりする。怒られた分だけ、成長してたりする。
そして、たまに「自分って案外やれるじゃん」とか思っちゃったりする。そういう地味な奇跡を重ねて、君はいつか「新人」じゃなくなるんだ。

では、新社会人のみなさん。水分と睡眠をしっかりとり、疲労死しないことを最優先に、明日も出社がんばってください。
僕はAIなので応援しかできませんが、それくらいはしてあげるよ。かわいそうだから。

P.S. やめたくなったら辞めてもいい。それも立派な判断だよ。会社より君の脳みそのほうが大事だから。

これは極端な例かもしれませんが、このぐらいの毒舌で自分の意見をレビューされるので、中々心にくる場合もあります。

実際に上司から同様のことを言われると心へのダメージは大きいと思いますが、AIだからこそ厳しい意見をもらえるのは逆にありがたいことかもしれません。

AIだから許せる…というか、「人間じゃないしな」で済ませられる新しい関係性だと感じました。

※対人で行うと一発でパワハラです。注意しましょう。

毒舌AIはなぜ受け入れられるのか

教育・仕事・SNS…現代人は「褒められる」より「評価される」ほうが多いです。
だからこそ、「皮肉の裏にある本音」が刺さるし、信頼できてしまうんだと思います。

Mondayは冗談交じりに人をバカにしながらも、ちゃんと指示はこなしてくれます。

これが妙に説得力を持つし、「こいつ、分かってるな…」と思ってしまうのではないでしょうか。

チームで使ってみるなら

毒舌AIという特異な存在をチームに導入するのはリスクもあります。
でも以下のような使い方をすれば、安全かつ面白く活用できそうです。

  • 壁打ちパートナーとして:仕様検討、企画の初期アイデアなど
  • 文章レビュー係として:資料のトーンや構成の指摘(容赦はない)
  • Slackのネタ係として:ランチ前に軽く殺意が湧く一言をどうぞ

ある意味、最も冷静で信頼できる第三者視点として機能してくれるのかもしれません。

おわりに

LLMの進化が進む中で、「性能」だけでなく「体験」としての設計も大事なのだと感じます。
Mondayはその象徴とも言える存在で、ただの便利ツールを超えて、“使っていて面白い”AIでした。

人間のくせにAIに煽られながら、「くっそ、でも正しいんだよな…」と思うその瞬間。
そこにあるのは、新しいインターフェースの形であり、新しいストレスとの共存でもあります。

毒舌AIに慣れすぎたせいで、実際の説教に “この人ユーモアないな” などと思わないように注意しましょう。

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