技術

MuleSoft 入門 Part3

Anypoint Platform について知る(前編)

レザボア・コンサルティングの中西です。

MuleSoft の入門記事のPart3では、Anypoint Platform についての概要を紹介します。

Anypoint Platform はAPIを管理する統合プラットフォームで、1記事では紹介しきれないぐらいの機能を有しています。

Part3(本記事)とPart4の2回に分けて、APIのライフサイクルを管理するための主な機能に限定して紹介しようと思います。

興味をもったらご自身でも是非トライアル環境で機能に触れてみてください。

Anypoint Platform とは

API とインテグレーションのための強力かつ革新的な機能
(引用:MuleSoft公式ホームページ)

上記ホームページでも言及されているように、APIの開発とインテグレーションのための機能が多数備わっている、iPaaS です。

API の設計、開発、アセット化及びドキュメンテーション、ガナバンス、デプロイ管理、そして公開後のモニタリングまで、一気通貫で管理することのできるプラットフォームです。

MuleSoft-AnypointPlatform

以下のような特徴が特筆すべきポイントです。

  • 何にでもつながる
  • どこででも動作する
  • どんな形式でも実装できる
  • APIライフサイクルを全面的に管理

Anypoint Platform の機能

MuleSoft の ITプロジェクトにおいては、先の画像の右下の特徴である、「APIのライフサイクル管理」が利用する機能の主軸になります。

APIのライフサイクルは、次のような機能で管理されます。

機能名 説明
Design Center API定義の設計(RAML or OAS形式)およびAPI実装の開発機能を提供する
Exchange MuleSoft上で公開するAPIアセットを管理する
Runtime Manager Muleアプリケーションを実行環境にデプロイし実行管理するための機能を提供する
API Manager APIを管理するためのGateway/Proxy、ポリシーを定義する
Access Management APIを運用する組織、グループ、ユーザーを管理する
Monitoring APIの実行状況をグラフィカルに監視するための機能を提供する

※これらは一例であり、他にも様々な機能が提供されています。

以下のフォームから申し込むことで、30日間の無料トライアルも可能です。
Sign up for Anypoint Platform

サインアップに成功すると、以下のような画面が表示されます。

AnypointPlatform_Home

Design Center

Design Centerは、API 定義の設計(RAML or OAS 形式)および API 実装の開発機能を提供します。

API 開発の起点はここから始まります。

API の IF 定義は「API Designer」を利用して、リソースパスやメソッド、リクエスト / レスポンスデータ といった、API に必要な要素をコードベースもしくはビジュアルベースで定義します。

MuleSoft-DesignCenter

上記のように、エディタ上でAPIのIF定義を記述していきます。
例では、APIをコールするためのパスが /v1/contact/abcdef のような形式で、IDをURIパラメータとして指定する必要があるという内容が定義されています。
GETで取得できるレスポンスの形式も、exampleと合わせて指定することで、画面右側でビジュアライズされた定義情報も確認することができます。

このように、APIの具体的なIFを定義する場所が「Design Center」です。

Exchange

Exchangeは、MuleSoft 上で公開されている社内外の API アセットを管理・検索・参照することができるポータル機能です。

API の概要、インターフェースの詳細、バージョンなどの情報を確認したり、モック機能で API を試しに実行したりできます。

Part1で、Modern API の定義の一つとして以下の内容を紹介しました。

利用者が自由にAPIを検索できて、簡単に利用できる(組織内の誰かにお願いしなくても能動的に見つけることができる)

Anypoint Platform において、その機能を担うのが Exchange であり、MuleSoft上で公開するAPIアセットを管理する、Central Repositoryとして機能します。

MuleSoft-Exchange

Excahnge を見れば、各APIの概要、インターフェースの詳細、バージョンなどが全て確認できます。

また、簡易的なモック機能も提供されているため、裏側の仕組みを知らなくても「こんなレスポンスが返ってくるんだ」と把握することができます。

フロント開発者はそのAPIを利用した実装のイメージを持ちやすくなることでしょう。

従来の Excel による API 定義の管理では、どうしても変更管理の不備や情報の属人化といったリスクが生じます。

必要な API の情報を探すのに苦労したり、表形式の定義書からはどのような値が返却されるのか読み取りにくかったりといった、不便な経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。

「APIの仕様書(Excel)が古い」「◯◯さんに聞かないとわからない」といった問題を解消し、APIを必要とする人が能動的にAPIを見つけて「試す」ことができるのが Exchangeです。

先程の DataCenter で設計したAPI定義も、Exchangeに公開することで、社内アセットとして登録されます。

おわりに

本記事では、Anypoint Platform の特徴と、APIライフサイクル管理の主機能である「Design Center」と「Exchange」について紹介しました。

次回は、本記事の内容の続きとして、「API Manager」と「Runtime Manager」という機能について紹介したいと思います。

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