Anypoint Platform について知る(後編)
レザボア・コンサルティングの中西です。
MuleSoft の入門記事のPart4では、Part3 の続きとして、Anypoint Platform の主要機能である 「API Manager」 と 「Runtime Manager」 という機能について紹介します。
API Manager
API Manager では、API を管理するための Gateway/Proxy を定義します。
API Gateway はAPI を管理保護するための機能で、 Mule Runtime に含めて管理することもできます。
例えば、「特定の IP アドレスの要求のみ許可」「レート制限」といった制御設定を適用できます。
上記画像は、Mule Runtime にAPI Gatewayを含めた構成です。
ここで設定する、「特定の IP アドレスの要求のみ許可」といった制御設定は、開発するAPIの中で実装されるものではありません。
APIにリクエストが到達する前に、事前に定義されたセキュリティやロジックのようなものです。
API Gatewayは実装面と分離されているので、 API の実装に影響を与えることなく API 制御の設定(API ポリシー)を適用することができます。
リクエスト数の制御やJSON脅威からの保護といった様々なポリシーが設定できるので、APIをどのように保護するかについて、プロジェクトの要件定義のポイントの一つにもなります。
また、各 API にアクセス可能なクライアントアプリケーションの管理や、API のリクエスト状況をダッシュボードやレポート形式で分析できる機能などが提供されています。
このように、API Manager は、APIのガバナンス管理とリリース後の運用管理に利用する機能が提供されています。
Runtime Manager
Design Centerで定義された API の I/F は、それ自体ではただの「定義」です。
APIとして機能するには、APIのロジックの実装が必要です。
実装はほとんどの場合はローカル環境(それぞれの手元のPC上)のIDEで行われ、「Mule アプリケーション(実態はJavaプログラム)」としてAPIが実装されます。
そして、開発したAPIを、MuleSoftがホストするクラウドの実行環境(CloudHub)へデプロイすることで、APIとして機能するようになります。
Runtime Manager は、デプロイされたアプリケーションのあらゆる設定を 1 か所で管理および監視できる直感的なコンソールです。
ダッシュボードには、全てのデプロイ済みアプリケーションと監視対象のサーバの状況が表示され、デプロイ、起動・停止、ログ参照、ランタイム設定の変更といった機能がサポートされます。
ここでランタイム設定や静的IPの付与、起動時のプロパティの設定などを行います。
デプロイされた Mule アプリケーションは、API Manager にて API インスタンス別に一意に付与される APIの ID を元に、API 定義と自動で紐付けが行われます。
この紐付けによって前章で説明した、実装の前段階で適用されるポリシーが適用されるとともに、APIの定義と実装が結びつくのです。
Anypoint Platform での APIライフサイクル管理
ここまでで、 Design Center
, Exchange
, API Manager
, Runtime Manager
という Anypoint Platform における主要な機能を紹介してきました。
Anypoint Platform 上で、API定義やアセットの管理、APIの保護機能(ポリシー)の設定やデプロイ、その後の運用管理まで、一貫してサポートされていることがお分かりになったかと思います。
Part3 の記事でご紹介した機能概要一覧の表を再掲します。
機能名 | 説明 |
---|---|
Design Center | API定義の設計(RAML or OAS形式)およびAPI実装の開発機能を提供する |
Exchange | MuleSoft上で公開するAPIアセットを管理する |
Runtime Manager | Muleアプリケーションを実行環境にデプロイし実行管理するための機能を提供する |
API Manager | APIを管理するためのGateway/Proxy、ポリシーを定義する |
Access Management | APIを運用する組織、グループ、ユーザーを管理する |
Monitoring | APIの実行状況をグラフィカルに監視するための機能を提供する |
今回ご紹介した4機能についても表面的な内容しかお伝えしきれておらず、上記の表以外にも、他にも様々な機能が提供されています。
ぜひ、ご自身でも是非トライアル環境で実際の機能に触れてみてください。
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おわりに
ここまで MuleSoft 入門記事として、4記事にわたって概要をご紹介してきました。
今後も、MuleSoft の開発についての記事を順次公開していく予定ですので、そちらもぜひご参照いただけますと幸いです。
レザボア・コンサルティングでは、MuleSoft (Anypoint Platform) のPoCや導入支援、API 実装、システム間連携、APIの運用管理、各種コンサルティングまで幅広くご支援します。
システム関連系が複雑化していく課題をお持ちであれば、ぜひMuleSoft (Anypoint Platform) の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。